2010年04月28日

事業仕分けを見て(評価・改善案編)

今回は、事業仕分けを傍聴してみて思った感想を元に、
いくつかの項目ごとに評価と改善策を探ってみたい。



■公開にあたっての運用面
事業仕分けの大事なポイントとして公開制度がある。
今回も一般傍聴とインターネット中継によって実現されている。
全ての国民に公開するという観点から言えば、議論の中継が最も重要となる。
一般傍聴には限りがあるのだから。


しかし、一般傍聴希望者への対応を間違えると、中継にも支障が出る。
例えば、並んだのに入れなかった人たちの不満。
彼らは受付担当者へ当たり散らし、傍聴席での態度も決して良くはなかった。


また、会場内での携帯電話での撮影行為。
携帯電話には盗撮防止機能として、撮影時に音が出るようになっている。
もちろん彼らの行為そのものは責められることではないが、
やはり、中継を通して多くの国民への情報発信が行われていることを考えれば、
上記の行動を規制すべきだろう。




■仕分けの目的を明確化


そもそも仕分けの位置づけは何だろうか?
また、その目的は適切だっただろうか?
政治ショーの側面が強かった今回の仕分けでは、
特にその目的が不明瞭だった気がする。


私がベターだと思う仕分けの位置づけとは、
事業に対して付けられた予算が効率的に使われているかどうかを検証すること
だと考えている。


ここでは事業の内容の是非は問わず、
不要な管理職への人件費として使われていないか、
法外な委託料として関連団体へ利益を横流ししていないかなどを
検証する。


事業の内容、組織の在り方などは、政府の責任においてトップダウンで実施するべき。
無駄な事業や組織は、属人的な原因ではなく、
社会システムに問題があると考えるからである。


▼責任の所在


前記のように、官僚の保身だけが原因ではなく、
無駄な組織や事業が作られる根本には社会システムがある。


したがって、現役官僚への責任は問わない代わりに、
全てを公開することに協力してもらう必要がある。
現状、不適切な内容が公開されると官僚に責任を押し付けられるという不信があり、
そういうマインドである間は真に有意義な情報は出てこない。


また、社会システムへの責任は政治家にあるということを明確にするべきだ。
政治主導という言葉の本当の意味はそこにある。
最終責任は政治家がとる、と。


▼継続性の担保


公的機関が実施する事業については、
そもそも国会で定期的に議論されるべきことである。
これまでの各委員会や、決算委員会は何をやってきたのだろう?


既存の国会の仕組みの中で、
事業仕分けを継続的に行う仕組みを作る必要があるのではないか?
国会の存在意義として、行政を監視するという重要な役割があるはずなのだが・・・


▼事業を統廃合を決断した後処理


事業仕分けを見て、最も現実的ではないと思ったことが、
事業の統廃合を決めた後の処理が全く行われていないという点だ。


仕事があるから事業を興し、組織を作るのではなく、
公務員の退職後の行き先がないから多くの独立行政法人が生まれた。


こういった背景を考えれば、
人事システムを変えることで、無駄な公務員が生まれる根本原因に対処し、
今、不要な事業に従事している公務員を、
どう活かしていくかを議論しなければならない。


道路公団問題の際には、
事業内容は「必要」との判断から、
民営化する(当時働いていた公務員に民間サラリーマンとして活躍してもらう)という
方法をとった。


ただのパフォーマンスで事業や組織を切るだけでは、
無責任であり、かつ実効性がないのではないだろうか?


総括としては、世論に迎合した政治ショーだったという感想だ。
ただ、今まで進まなかったことが一歩進んだということには、
評価をしたいと思う。

なぜ進んだかというと、
民主党が野党時代に「キレイごと」を訴えたため、
政権を取った後に実行せざるを得なかったからである。

ここから先に進めるかどうかというと、疑わしい。
それは今後、公務員制度改革という本丸に手をつけたとき、
民主党の支持母体である労働組合が抵抗するからである。

問題の本質に切り込む準備ができたとき、
本丸へ切りこむのは現政権ではないだろう。


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2010年04月27日

事業仕分けを見て(感想編)

前回、事業仕分けの位置づけと傍聴した仕分けメニューについて
書いたが、実際に傍聴した感想はおおまかに2点。


@官僚サイド(省庁担当者・独立行政法人担当者)に責任を押し付けている。

・「他の独立行政法人でも同じことをやっていますよ」
 →独立行政法人の存廃の決定権は政治家にある。
  官僚に対して指摘すべきことではない。


Aあまりにずさんな評価・検証。

・「研修終了後に、研修内容について5段階で評価していただいております」
 →研修の効果を実感するのは、現場に戻った後であり、
  研修後の満足度は計測する意味がない。

 →研修のすべてを5段階で評価することは少し大雑把すぎる。
  せめて、明確な目標設定に対してどの程度達成されたかで測るべき。

 →決して能力が低いわけではない国家公務員が、評価・検証をしないことが不思議。
  評価・検証をしたらマズイことがあるからではないかと思ってしまう。



また、今回の事業仕分けに対して評価できる点も数点記載しようと思う。

@公開で行った点
実施方法には賛否両論あるが、公開した点は大いに評価できる。
これまでは議論は関係者だけで行い、報告書類で外部へ公開する方法だった。
議論の過程も公開することで、国民が評価できる環境が作られた。


Aわかりやすさを求めた点
「事業シート」という共通フォーマットのもとに資料を作成していた。
公的機関が公表する資料は概して分かりにくい。
数字の計算も一律ではなく、まやかしの手段にされやすい。
それに対して、共通のフォーマットを作成し、
全対象が同じフレームの中で情報公開することにより、
比較検証がしやすくなる。


次回、全般的な評価と改善案について書いていきたい。
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2010年04月26日

事業仕分けを見て(入門編)

さて、2010年4月23日に始まった事業仕分けだが、
私もさっそく見に行ってきた。


今回は、まず事業仕分けとは何かについて考え、
私が傍聴した仕分けメニューについて書いていきたい。



■事業仕分けとは?
防衛や外交など国家が行っている政策(≒事業)は、
民間では採算等の問題で実施できないもの、
また選挙等により選出された構成員が決定し実施すべきもの、
などの考えから国家が独占的に行っている。


その議論の延長線上で、
国家が直接実施するほどではないが、
民間では実施されない恐れがあるものについて、
独立行政法人や公益法人という組織が実施している。


その組織も、国家の事実上の子会社的位置づけにあり、
運用が硬直化した結果、その必要性や経営内容が疑問視されてきた。


そこで、事業仕分けでは、
独立行政法人や公益法人が実施している事業が必要か?
その事業は独立行政法人や公益法人が実施する必要があるか?
などの視点から実施されている。



■傍聴した事業仕分けのメニュー

▼労働政策研究・研修機構
→労働行政に関わる職員育成を目的とする組織。
 例えばハローワークの職業指導官、労働基準監督官など。
 労働大学校を通して目的達成を目指す。

→今回は労働大学校の運営方法や、
 教育根拠となる労働市場研究に関わる支出について議論された。


▼中小企業支援整備機構
→中小企業の支援体制を強化することを目的とする組織。
 中小企業への資金貸し付け、
 中小企業経営者や管理職などへの研修を通して目的達成を目指す。

→今回は中小企業大学校の運営方法や、
 中小企業支援のための原資が活用されているかについて議論された。


▼福祉医療機構
→福祉医療環境を向上させることを目的とする組織。
 福祉施設への融資、医療施設への融資、利用者への融資、
 また福祉医療従事者の健康増進を国立病院や労災病院などを通して実施、
 することにより、目的達成を目指す。

→融資部門は他の政策金融と統合運用されるべきではないか、
 国立病院や労災病院は、非公務員化を実施し民間マインドで経営されるべきではないか、
 などについて議論された。


仕分け作業の時間設定などの制約はあったが、
個別には必要な事業であり、独立行政法人の統合により効率的に運用するべきか、
民間に移譲して事業を継続するべきかという論点になりそうな項目を選択した。


次回、傍聴した内容の感想を書きたいと思う。
なお、個別専門的なことを記載すると誰も読みたくない文章が出来上がるので、
総論的な感想を書こうと思う。
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